診療科・部門・センター紹介診療部 消化器内科

胆道癌、膵癌の化学療法

胆道癌の化学療法

病期診断で手術できない時期と判断された場合、抗がん剤による全身性化学療法をお勧めします。胆道がんに対する標準化学療法はゲムシタビン(ジェムザール®)・シスプラチン(GC)療法、ゲムシタビン療法、ティーエスワン®(S-1)療法などがあります。

  • 1. ゲムシタビン(ジェムザール)・シスプラチン(GC)療法:2種類の抗がん剤を3時間かけて点滴で投与する治療法で、週1回で2週連続行い3週目を休む、3週間1コースのスケジュールで繰り返します。シスプラチンは腎臓に障害を起こしやすい抗がん剤であり、2L程度の多めの点滴を必要とします。
    副作用として、食思不振、下痢、吐き気・嘔吐などの消化器症状や、発熱、疲労感、呼吸困難、骨髄抑制、肝機能障害、腎機能障害、心電図異常などを認めることがあります。
  • 2. ゲムシタビン(ジェムザール)療法:膵がんに準じて胆道がんに対しても標準治療とみなされていた治療法で、1回30-60分の点滴を、週1回で3週連続行い4週目を休む、4週間1コースのスケジュールで繰り返します。副作用が少ないため、高齢者や体力がやや低下している方でも比較的安全に治療が行えます。
  • 3. S-1(ティーエスワン)療法:膵がんでゲムシタビン療法と同程度の効果をもつため、胆道がんに対してもゲムシタビンと同程度の効果が期待されている飲み薬です。1日2回の服薬を4週継続した後、2週休薬するという6週間1コースの治療を繰り返します。
    副作用として、食思不振、下痢、吐き気・嘔吐などの消化器症状や、皮疹、骨髄抑制、肝機能障害、腎機能障害、間質性肺炎などを認めることがあります。
  • 4. ゲムシタビン・S-1(ジェムザール・ティーエスワン、 GS)療法:1回30-60分のゲムシタビン点滴を、週1回で2週連続行い3週目を休む、3週間1コースのスケジュールの中で、各コースの最初の14日間にS-1を服用する併用療法です。ゲムシタビン療法やS-1療法よりも治療効果が高い可能性が示されており、GC療法と同程度の治療効果が期待されています。

膵癌の化学療法

最終的に手術できないと判断された場合、抗がん剤による全身性化学療法をお勧めします。長年、膵臓がんに対する標準療法とされてきたゲムシタビン(Gem)療法、ティーエスワン®(S-1)療法に対し、2013年末にフルオロウラシル・レボホリナート・イリノテカン・オキサリプラチン(FOLFIRINOX)療法、2014年末にゲムシタビン・アブラキサン®(Gem/nabPTX)療法など、より有効とされる治療法が保険承認され、2014年以降、一次化学療法が大きく変化してきました。また、S-1療法による術後補助化学療法(再発を予防するための化学療法)の有効性が科学的に証明されたこともあり、S-1療法は手術後の患者さまに多く使われています。病期診断でT4M0と判断された場合、放射線療法も治療候補になります。抗がん剤との併用である化学放射線療法や重粒子線療法などの治療は、臨床試験というオプションとして行われることもあります。

  • 1. FOLFIRINOX療法:5-FU・イリノテカン・オキサリプラチンの3種類の抗がん剤に、5-FUの増強剤であるレボホリナートを加えた多剤併用の治療法です。2週間ごとに繰り返す治療ですが、1回あたり2日間かかるため、外来・在宅で治療を行うためには皮下に埋め込み型のポートを造設する小手術を行う必要があります。2013年末より保険承認となった治療法で、従来のゲムシタビン療法よりも高い効果が示されていますが、副作用(感染症・下痢・しびれ、など)の頻度も高く、十分な体力があり、全身状態が良好な方が対象になります。当院では、副作用を低減するために、当院主導で行った多施設共同試験の結果を踏まえ、予め修正を加えた投与法(modified FOLFIRINOX)で治療を行っています。
    副作用として、食思不振、下痢、吐き気・嘔吐などの消化器症状や、脱水、電解質異常、間質性肺炎、骨髄抑制、肝機能障害、腎機能障害、視力障害、不整脈などを認めることがあります。
    治療成績*:48例(2014年1月-2016年9月):奏功期間 6.7ヶ月、生存期間:17.0ヶ月
  • 2. ゲムシタビン・ナブパクリタキセル(ジェムザール・アブラキサン)療法:1回60-90分の点滴を、週1回で3週連続行い4週目を休む、4週間1コースのスケジュールで繰り返す治療法です。2014年末に保険承認となった治療法で、従来のゲムシタビン療法よりも高い効果が示されていますが、副作用(感染症・しびれ、脱毛など)の頻度も高く、やはり、ある程度の体力があり、全身状態が良好な方が対称になります。
    治療成績*:178例(2015年1月-2016年9月):奏功期間 6.1ヶ月、生存期間:14.8ヶ月
  • 3. ゲムシタビン(ジェムザール)療法:長年、進行膵臓がんに対する標準治療とされていた治療法で、1回30-60分の点滴を、週1回で3週連続行い4週目を休む、4週間1コースのスケジュールで繰り返します。副作用が少ないため、高齢者や体力がやや低下している方でも比較的安全に治療が行えます。
  • 4. S-1(ティーエスワン)療法:ゲムシタビン療法と同程度の効果が示されている、飲み薬による治療法です。1日2回の服薬を4週継続した後、2週休薬するという6週間1コースの治療を繰り返します。