消化器内視鏡センター

内視鏡的胆管ドレナージ(ERBD:endoscopic retrograde biliary drenage)

通常、胆汁は肝臓から胆管を経て、十二指腸へと排泄されます。この流れの途中で石や腫瘍などができてしまうと、流れがうまくいかずに胆汁がうっ滞してしまいます。この状態を閉塞性黄疸と言います。閉塞性黄疸になると、胆汁が腸管に移行しないため脂肪吸収が障害され、長期間閉塞性黄疸の状況が継続すると肝不全(肝臓の働きが悪くなる)に至ります。また、そこに感染を起こすと、急性閉塞性化膿性胆管炎を引き起こし、増殖した細菌が血液中に逆流すると敗血症となってショック状態(血圧が急激に低下する)や多臓器不全で、命に関わることもあります。そうならないためにも、うっ滞した胆汁をなるべく早く胆管外に排泄する必要があります。
閉塞性黄疸を改善する方法として、内視鏡的に胆汁の排泄口である十二指腸乳頭から狭窄・閉塞部位を通過して肝臓側の胆管にドレナージ(ERBD)を行うことができます。
ドレナージにはプラスチックや金属の管(「ステント」と呼びます)を胆管に挿入して、胆汁の流れを改善させます。胆管感染が起きた場合、重篤になる可能性がありますが、これらのステントによる治療で、致命的になることはほとんどなくなりました。

プラスチックステント

胆管の腫瘍による狭窄や総胆管結石が大きくて一気に摘出できない場合や、抗凝固剤を内服しているために乳頭切開(EST)などの処置ができない場合に、一時的に留置するステントです。留置するのが比較的容易で必要でなくなった際には抜けるという利点がありますが、内腔が細いので胆泥などがつまりやすいという欠点もあります。太さによって、7Fr~12Frサイズのプラスチックステントがありますが、内腔の開存期間は1か月~3か月までです。最近では、慢性膵炎に伴う主膵管の狭窄によって膵炎の急性増悪や腹痛が繰り返されることに対して、主膵管に一時的に膵管ドレナージステントを留置して、症状を改善させる方法があります。

金属ステント(EMS)

外科的な切除による治療ができない進行した胆管がんやすい臓がんで胆管が狭窄・閉塞してしまった場合には、長期間胆汁の流れを良くしてあげる必要があります。この治療として、胆汁の流れを良くするために、金属でできた管(金属ステント)を内視鏡で胆管内に埋め込む治療が行われています。埋め込まれた金属ステントは形状記憶合金でできており、バネの様に広がり、広い内腔を保つことができるために長い期間に渡って胆汁の良好な流れを保つことができます。