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診療部|整形外科:医療記事

人工関節手術とっておきの話〜「安心して人工関節手術を受けていただくために」〜

私たちの身体は、様々な関節や筋肉によって動かされています。その中でも股関節や膝関節といった下肢(脚)の大きな関節が障害されると動きが悪くなったり、痛みのために歩いたり、階段を昇降したり、さらに日常の生活そのものも大変不便になります。人工股関節と人工膝関節置換術は、近年その技術も飛躍的に向上し、日本国内で年間あわせて10万件にも上る手術が行われる一般的な治療法となっています。その最大の効果は痛みの除去です。ほとんど歩けなかった方が歩けるようになる事もあり、生活の質(QOL)の大きな改善が望めるのもこの手術の特徴です。

当院でも年間50件ほどの人工関節手術を行っていますが、手術の前、入院中、そして退院後の生活に対して2、3取り組んでいる事を紹介いたします。


1.輸血対策

人工関節手術には、ある程度の出血が予想されるため、輸血を必要とします。輸血には、献血された他人の血液を使う輸血と、あらかじめ自分の血液をためておいて使う自己血輸血とがあります。他人の血液を使う場合は十分な検査を行っていても、肝炎ウィルスなどの感染や*移植片対宿主病(GVHD)などの副作用が時に起きる可能性があります。

*移植片対宿主病(GVHD):他人の血液を輸血した時に、血液中の白血球が患者さまを攻撃する反応(拒絶反応)


一方、自己血輸血では自分の血液ですのでそのような心配は一切ありません。人工関節手術は緊急手術ではなく予定手術です。手術時の出血に対して十分な対策を取る事ができます。手術の日程が決まれば外来で1週間に1回400ccずつ2回採血を行います。このことを貯血といいます。その血液を液状のまま冷蔵保管し手術の際に使用します。手術までの間(2週間)は血液を造る薬を注射、内服し少しでも元の状態に戻します。この貯血はあらかじめ血液検査をして貧血がないことが条件になります。

さらに、手術中や術後の出血もそれを集め洗浄、ろ過する事で再度自分の体に戻す事ができます。これを術中・術後自己血回収輸血といいます。このようにして他人の血液をできるだけ輸血しないように工夫しています。ただし、予想以上の出血があった場合には献血によって集まった他人の血液を使わざるを得ないこともあります。


2.クリニカルパス

クリニカルパスは、入院治療の計画を疾患や手術別に標準化し入院生活の流れをわかりやすくしたものです。すなわち、入院中の検査や治療(手術)の予定と、食事や入浴などの生活の流れを患者さまにわかりやすく説明するためのスケジュール表です。患者さまにとって、入院生活に不安を感じるのは、日常生活と何が違うのかがわからず、先の予測ができないからです。クリニカルパスはこの患者さまの不安を少しでも軽くするとともに、われわれ医療スタッフと患者さまの間の意思の疎通を良くすることが目的です。特に人工関節手術は車椅子や、歩行器での歩行そして杖の訓練といった術後のリハビリテーションの進行具合を細やかに計画をたてています。当院では入院期間は人工股関節、人口膝関節手術ともに約1ヶ月を予定しています。


3.インプラント手帳

人工関節は壊れた関節の一部を切除して人工物(多くは金属や特殊なプラスチック)に置き換える手術です。その際に体内に設置される人工物を総称して『インプラント』といいます。

当院では人工関節手術を受けられた方には『インプラント手帳』をお渡ししています。この手帳には、患者さまの体内に入れられた人工関節に関する情報(メーカー、種類、サイズなど)が記載された“製品ラベル”が添付されています。これは人工関節の部品の交換や人工関節を入れ替えたり抜去する必要が生じた場合に、使用された人工関節の機種を確認するための重要な情報です。

また、この手帳には人工関節置換術を受けられたことを病院名および主治医名で証明書として記しています。人工関節は金属製なので、航空機など搭乗の際には金属探知機に反応する場合があります。その際にはこの手帳を提示してください。

この手帳に記載された事項や添付された製品ラベルは、患者さまの重要な個人情報です。ご自身で大切に保管してください。




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