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診療部|循環器内科

リードレスペースメーカについて

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心臓血管不整脈センター 足立和正


    2017年9月1日、世界最小のペースメーカである、リードレスペースメーカ(マイクラR)が日本で植込み可能となりました。このペースメーカはこれまでのリードのあるペースメーカとは全く違う、カプセル型のペースメーカです。
    従来のペースメーカは、鎖骨下静脈という血管内にペーシングリードという電線を挿入し、その先端を右心室へ固定して反対側の電極にペースメーカ本体を接続、鎖骨下の皮膚の下にポケットを作成して本体を固定するものでした。通常のペースメーカはリードがありますのでリードの老朽化や断線、血管閉塞などの問題がありました。さらに、皮下のポケットにあるペースメーカの電池本体が皮膚を圧迫してポケット部皮膚の壊死の原因になったり、そこまでいかなくとも痩せてくるとペースメーカ電池がくっきり浮き出たりして、美容上もあまりよくありませんでした。ペースメーカの感染は大きな問題で、システム全抜去が必要となり、開胸手術やレーザーを用いた手術が必要で危険を伴いました。
    これらの弱点を克服したものがリードレスペースメーカです。本体はカプセル型、1.75g、1ccまで小型軽量化されています。専用のカテーテルシステム(図1)を用いてカプセル先端についている4本の小さなフックで右心室の心筋壁に引っ掛けて植え込みます(図2)。そのためにリードレスペースメーカのまたの名をTPS(Transcatheter pacing System)といいます。植え込んだ後にカテーテルシステムは抜いてしまいますので、カプセルのみが心臓の中に残って、心臓を刺激するという仕組みになっています。

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(図1 植込み専用カテーテルシステム)


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(図2 植え込まれたリードレスペースメーカ イラスト)



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(図3 植込み後のレントゲン写真)

    これまでのペースメーカのように外から体を見ただけではペースメーカが入っていることは全く分かりませんが、レントゲン写真を撮るとはっきり写っています(図3)。


    電池寿命は10年程度、条件付きでMRI撮影も可能です。皮下ポケットやリードによる生活制限がありませんので、患者様もペースメーカを意識せずに生活することができ、負担が大きく軽減します。


    明石医療センター 心臓血管不整脈センターでは兵庫県における第一例目と第二例目になる患者様にこのペースメーカを植え込み、問題なく経過しています。現在のところ、リードレスペースメーカは心室しかペーシングすることができませんので植込みの対象となる患者様は限られてきますが、今後改良が加えられていけばもっと多くの患者様がこのペースメーカの対象になると思います。今後も患者様に安心感を与え、生活の質が向上するような治療を目指します。


参考文献 European Heart Journal (2015) 36, 2510-2519



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