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診療部|循環器内科

ペースメーカーの感染について(エキシマレーザーシースによるリード抜去)

心臓血管不整脈センター 足立和正


ペースメーカーの合併症の一つに感染があります。
これは医療者側や患者さん側がどんなに気を付けていたとしてもペースメーカー植込み患者さんの1-2%に発生するといわれています。その症状はペースメーカー部の発赤(図1)、腫脹、かゆみ、痛み、熱感、全身の発熱などです。


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(図1: ペースメーカーポケット部の発赤)


ひどい場合はペースメーカーの入っている部分の皮膚に穴が開いて、膿が出てきます。そしてさらに進行するとペースメーカーの本体がその穴から見えるようになり(図2)、最終的にはペースメーカーが外に飛び出してきます。


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(図2: 2か所穴が開いており、左のほうの穴からは一部ペースメーカーが見えている)


こうなってしまえばペースメーカーの全システム抜去(リード線と電池本体すべてを抜き去る)が必要となります。 ペースメーカーを入れて6-12か月ぐらいであれば、リード線抜去は単純に引っ張っただけで可能なことが多いですが、植え込んでから何年も経過したリード線を抜くのは一苦労です。リード線が心臓に完全に絡みついているからです。これを抜くのは命がけです。無理に引っ張れば心臓が裂けてしまいます。

ですので、少し前であれば心臓血管外科で心臓自身を切ってリードを取り出すことがほとんどでした。心臓を切ってリード線を取り出す手術は非常に負担の大きい手術で、リード線は取れましたが、最終的には退院することができずに亡くなったということも珍しくはありませんでした。しかしながら、最近はレーザーでリードを抜き去ることが可能となり、内科的に心臓を切らずにできますので、患者さんの負担も軽減するようになりました。

エキシマレーザーシースというリード抜去専用のシステムが使えるようになりました(エキシマレーザーによるリード抜去手術は、所定の施設基準を満たした施設でのみ施行可能です)。これはリード線にレーザーを照射することのできる特殊な筒をかぶせていき、リード線と心臓の癒着組織をはがしながらリードの先端まで進めてリードを抜く道具です(図3)。


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(図3: レーザーシースによるリード抜去)DVX社の資料より



レーザーで抜去したリードの周囲には、はがしとられた癒着組織が付着しています(図4)。


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(図4: 左は心房リード 右は心室リード)


エキシマレーザーシースシステムはすべてのペースメーカー感染患者さんに使えるわけではありません。エコーやCTでしっかり検査をして、使えそうな患者さんにはこのシステムを用いて治療しています。

術前にレーザーでリード抜去可能と判断しても、レーザーで抜去中に危険性が大きいと判断された場合や予期せぬ事態が発生した場合、レーザーではリードの完全抜去が不可能であると途中で判断された場合は心臓血管外科での手術にその場で切り替えることもあり得ます。この治療には心臓血管外科との連携が不可欠です。

明石医療センター心臓血管不整脈センターでは、心臓血管外科、心臓血管低侵襲治療センターと連携して、当院での感染症例のみならず他病院での感染症例も幅広く受け入れ、レーザー抜去手術を行っています。

ペースメーカー部分に異常を感じた場合は不整脈外来やペースメーカー外来にお越しください。各種検査の結果、リード抜去が必要と判断された場合は治療させていただきます。




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